日本の誇る偉人に学ぶ(村上 和雄先生)

日本の誇る偉人に学ぶ(村上 和雄先生)

村上 和雄(むらかみ かずお)氏は、1936年、奈良県天理市の生まれ、
京大からヴァンダービルト大学を経て現在77歳の筑波大学名誉教授である。

先生は、遺伝子工学の世界的第一人者で、1983年に世界に先駆け、
高血圧の原因となる酵素「ヒト・レニン」の遺伝子解読に成功したことで
知られる。

その後も、イネの遺伝子の解明についても、多くの若手と昼夜兼行の
苦労を重ねた結果、世界に先駆け、奇跡的に成功された。

これだけ研究を続けられた先生でも、生命については何も解らないとのこと。
生命の存在はダーウィンの進化論では説明できない。

先生の恩師がいつも語っていたという「三つの感謝」が印象深い。

① 人間として生まれたこと・・・約38億年前からヒトの遺伝子が存在し、
              一度も絶えることなく繋がってきたこと
② 人間には無限の可能性がある ヒトには父母から受け継いだゲノムが存在
              全ゲノムの内、2%しか働いていない事実。
              98%が不明のまま放置
③ 今日も元気だ、ありがたい  ヒトは60兆個の細胞から構成
              1秒毎にものすごい勢いで入れ替わる。
              細胞は見事に死んでいる。

遺伝子の解析に成功してみると、よく考えると、遺伝子の情報は読む前に
書いてあったことに気が付く。それでは、誰がそれを書いたのか?
少なくとも人間ではない。やはり、書いたのは自然しかない。
それでは、自然はどうして書いたのか?

サムシング・グレート」の存在、科学を追究していくと宗教性が必要。
アインシュタインは、本当の科学者には、宗教性が必要であると主張していた。

生きているというより、「生かされている」と考えた方が正しい。
遺伝子には、死ぬまでの情報が書き込まれている。

ヒトの遺伝子の多くは眠っているが、いろいろな刺激を与え、良い遺伝子の
スイッチをオンにすれば、人の可能性は飛躍的に高まる。

それは、感動であり、喜びであり、笑い等、ワクワクすれば、良い遺伝子の
スイッチがオンとなる。

人間の細胞は60兆(体重1kgにつき略1兆個)あるが、元は1つの受精卵
で、同じ遺伝子を持つ。

「おかげさま」という言葉など、深い精神性と高い科学技術を併せ持つ日本の
出番が21世紀に必ずくるに違いない。

志の高い者に天は味方する

生きるとは、何かに命を懸けること

日本人がこれまで育んできた文化・伝統は素晴らしい。

「日本人」そのものが世界のブランドとなりつつあることに当の日本人が
気が付いていない。特に子供に自覚がないことが悲しい。

日本の歴史、伝統を正しく理解させることから始めなければならない。

日本を世界から尊敬される国にしたいとの思いが心に伝わってくる。

最後に、これから10年計画の新たなチャレンジを開始するという先生の
覚悟に感動した。