「いい国つくろう、何度でも。」別冊宝島編集長の前文紹介

今、日本の歴史教科書としても読めるレベルの内容を伴った編集を
宝島社は、実に見事に成し遂げている。

別冊宝島の1832号で、2011年12月15日発行の
「いい国つくろう、何度でも。」がそれである。

この本の編集長小林大作氏ほか、執筆者の方々に敬意を表したい。
本の巻頭に、編集長の万感を込めたまえがきがあり、少しでも多くの
日本人に共有していただきたい内容であり、ここに紹介したい。

日本人は強い忍耐力と素晴らしい創造力を持つ。
私たちはその日本人であることに誇りを持っていいと思う。(略)

日本人は、どれだけリーダーが駄目であっても復活してきた。
日本人の強みはそこにある。
リーダーに頼るのではなく、自らの足元を一歩一歩踏み固め、
未来を創造してきたのだ。

忍耐強く、そして、創造性を発揮して。

日本が高度成長期を迎え、経済大国になったのも、戦後の混乱期から、
多くの日本人がそれに打ち克ち、一所懸命働いてきた結果なのだ。
けっして、リーダーのおかげではない。(略)

いままで、日本の歴史を語るとき、自虐史観だの、皇国史観だの、
いろいろな立場から批判が繰り返されてきた。

そのような史観の立場でなく、日本人の歴史を、単にポジティブに
捉えたとき、まったく新しいものが見えてきた。

豊臣秀吉キリスト教の禁止は、宗教弾圧として語られることが
多いが、実際の側面は、戦後時代の人身売買の禁止であった。

西洋人による人身売買の片棒をかついでいたキリスト教信者への
措置であった。

元による日本侵攻も、元寇を最終的に防いだのは神風であったと
されるが、実際は鎌倉武士の周到な準備と、命も顧みない奮闘
によって、防いだことが判明する。

私たちは、国難に立ち向かってきた日本人の姿を見つめなおすとき、
日本人の様々な知恵と奮闘、そして、強さとやさしさを見つける
ことができる。

私たちは、日本人であることに誇りを持っていいのだ。

日本には、2千年を超える歴史がある。
周りを海に囲まれ、大陸とは切り離され、島国として、独自の
文化を育んできた。

3.11東日本大震災は、戦後最大の国難であるのはもちろん、
何百年に一度の大災害であった。
それは、多くの日本人に大きな傷跡を残した。
その傷がいえるには相当な時間がかかるだろう。

しかし、その傷跡が消えるとき、日本は大きく変わっているはずだ。

単に忍耐強いだけじゃない、本当は世界でもっとも創造的で柔軟な
日本人だからこそ、何度でも復活するのだ。