学ぶべき企業(未来工業)

企業名 未来工業(株) 
(所在地 岐阜県大垣市)創業者 山田 昭男(1931年生 81才)
業 種 電気設備資材、給排水設備、ガス設備資材製造販売
設 立 昭和40年(1965年)8月 (上場 名証2部)
資本金 70億6786万円 社員 780名 自己資本比率77.2%
売 上 28,412百万円 (創業以来赤字なし)
経常利益 2,582百万円 当期利益 1,995百万円

日本一幸せな会社として紹介される。
会社の制度;「喜ばしたら社員は働く」という日本人だから通用する論理

① 営業のノルマ・残業は一切禁止、上司への報告も禁止、成果主義も禁止
② 定年70才
③ 年間休暇 (有給休暇除く)140日
④ 全員が社員
⑤ 全員参加の社員旅行年1回(5年に1度は海外)
社員旅行でクイズ50問に正解すると半年間有給休暇
⑥ 65才の平均年収700万円 上場時一定以上の社員に頭割りで株を分配
⑦ 育児休暇3年(何度でも可)
支社や営業所は社員が作った(現場のことは現場の社員が一番知っている)

社長の仕事;社員を幸せにして「この会社のために頑張ろう」という気持ちを
      抱く「餅(インセンティブ)」を与えること
      社員がやる気を出して会社が儲かれば、分け前を「餅」にする。
      どう餅を与えるかを考えるだけでいい。戦術は社員が考える。

儲けるにはヨソと違うことをやれ、常に考える習慣をつけさせること。
新製品や効率化について常に考え続けることが大事。

「改善提案制度」どんな提案でも500円、いい提案は3万円を支給

70才定年制にしたことで、働き盛りの30代、40代の社員がこの会社に
骨を埋める覚悟で我武者羅に働くようになる。

会社見学料(お土産付)2千円を徴求しても年間1万人の見学がある。

(学ぶべきこと)

創業者談 日本が衰退した元凶

「いいモノを安く売ろう」という発想が駄目にした。
米国の製造業の経常利益率平均が35%、日本の場合、3.5%
日本の方が技術力が断然高いにも拘わらずおかしい。

付加価値のある差別化した商品を作り「高く売る」べきと主張する。

(学ぶべきこと)繰生

この企業のやり方は、かつて日本の企業が当たり前にやってきた
労使一体型、運命共同型、終身雇用制度の延長線上にある。

日本企業がこれまで培ってきた戦後急成長を果たした奇跡を裏付ける
一番の競争力を日本人ならではの特質を最大限引き出しながら
社員を豊かにし、幸せにすることを追求することが、ひいては
会社と社員の利害を一致させることを証明している。

未来工業の成長・発展を通して
グローバルスタンダード導入の風潮が日本企業の競争力を奪っている
ことを証明することとなり、大きな価値転換をもたらす可能性を秘めている。
今後、多くの日本企業の手本となるべき企業であろう。