情報入手から加工・分析

情報入手から加工・分析-1         KNOCK無名塾 繰生 紀夫

情報の収集から加工そして分析工程について、これまで筆者が都市銀行
債券トレーディング業務や銀行ポートフォリオ運用責任者当時の実務経験を
通じて得られた相場予測・金利予測に関して実際に行った経験を基に
説明したいと考えます。

■情報収集の多面化

当時の仕事の内容は、金融市場でこれからの債券相場がどう動くか、
内外長短金利はどう変化していくかを予測し、顧客である機関投資家
シナリオを伝え、債券売買の受注をする債券トレーディング業務でした。

ある時期は銀行が持つ莫大な投資有価証券をどう運用していくか、
将来の金利予測をシナリオを立て、金利変動リスクへの対処を行うことが
職務の10数年間でした。

内外金利動向を占うためには、世界の政治・軍事・経済・金融・為替・ヘッジ
ファンド等機関投資家動向など、あらゆる分野の動きを注視していく必要が
ありました。すべてが結果として海外⇒国内金利に跳ね返ってくるのです。

なにより国内経済のファンダメンタル分析があり、当時の大蔵省・日銀という
金融当局がどう判断しているかも含めて、当局要人の発言の一言一句に市場は
神経を尖らせ、真意を読んだり、裏を読んだりといった作業をしました。

情報収集に際しては、日頃から継続して情報チャンネル
エコノミスト・ストラテジスト・外国証券・ヘッジファンド
日銀・機関投資家等)ルートの開拓拡大と維持管理が重要でした。

このためには、普段から相互の信頼関係を構築しておくことが必要であり、
情報を先に借りた場合には必ずお返しをする心掛けが必要でした。

いい情報(価値の高い情報)を普段から他より優先して真っ先に届けてくれる
人的パイプを数多く築いておく必要であります。

いい情報(価値ある情報)とは、情報通信プロバイダーや各種情報端末を
通じてまだ多くの人間が入手していないから価値がある側面を持ちます。

従って、情報を人より早く収集するためには、ギブ&テイクの関係や
それなりのコストがかかります。