[日本人の誇り(藤原 正彦)に学ぶ-5

■教科書問題

かくも素晴らしい社会を作った日本人の卓越した特性を
なぜ日本人は誇りにしないのか?

他国であれば高らかに謳いあげるはず。

現代の歴史教科書ではほとんど一切言及されていない。
教科書を書く歴史家が避けようとしているから、
祖国への誇りを育むと軍国主義
繋がりかねない、近隣諸国条項を考慮するため。

(1982年 宮沢喜一官房長官が「今後の
教科書検定は近隣諸国の感情に配慮する」と談話発表)

世界のどこにもない奇妙な基準。その後は何かあるたびに
中国や韓国、北朝鮮から「歴史認識」を問われることになった。

この三国は「歴史認識」が黄門様の印籠であり、
これを口にすれば、直ちに日本が謝罪し、
外交上優位に立てることを学習した。

国家が謝罪するということも日本だけ。
主権国家は謝罪という心情表明はしないもの。

インド、ミャンマーシンガポールなどはイギリスに
歴史認識」を迫らないし、ベトナムはフランスに
歴史認識」を問いません。

独ソに虐げられたポーランドでも同様。

子供が学ぶ歴史教科書において、歴史的客観性よりも
事を荒立てないことを優先する状況。

繰生 感想
藤原氏の指摘するように、歴史教科書において、
歴史的客観性を明らかにせず、
事を荒立てないことを優先する状況を続けた日本の
戦後67年もの政治姿勢が問題を複雑化している。

「近隣諸国の感情に配慮する」という珍妙な、
曖昧な態度を、戦後とり続けた日本の姿勢が
現在韓国が不法占拠する竹島に大統領の上陸を許し、
二国間の戦後処理を終えたにも拘わらず、
米国へのロビー活動を許し、従軍慰安婦問題として、
事実と異なる要求を突き付ける対応を許した。

中国に対しても尖閣諸島の領有権の主張を許し
中国の国家戦略として、ジリジリと進出を許している。

もはや、歴史問題の総括を避けられない段階にきている。
日本が国際社会に向けて、史実を解明し、事実をきちんと伝え、
国民に対しても、必修科目として「日本史」を履修せしめ、
歴史教科書に近代史の史実を伝えることが必要である。
結果、国民に自信と国家へのプライドを持たせることができると思う。