情報入手から加工・分析

情報入手から加工・分析-3

しかし、上記3.4の範疇に属する情報
(中長期内外経済動向・金融政策動向・気象現象・原油等資源問題、
内外政治動向、軍事などパワーバランス等など多方面に跨り、
その分析に際しては、その分析者の歴史観や世界観、結果として、
その人の人生観・人生哲学・社会的価値観まで影響を受けることがあります。

世界環境の中での日本の位置づけや、国家のあり方を問う問題であったり、
近視眼的に見ても、企業の経営戦略にも影響を与える極めて重い情報が存在します。

重い一次情報ほど、入手ルートは人的要素の高い、人脈を駆使したもの
となります。

こうした活動により、収集⇒加工⇒分析された情報は当初の単体情報とは
似て非なるものに生まれ変わっているはずです。

超短期から短期、中期、長期の予測を行っていく中で、時流がどこへ向いて
いるのか、その潮流の流の速さはどうか、過去から今後を占い、将来像を
イメージすることができ、未来への展望へと構想を描き、国家像まで、展開
していくことができるのではないかと考えます。

こうした活動は、一私企業たる銀行の一部門、一個人が収益極大化・
リスク管理の観点からアプローチを図るのでは勿体なさすぎます。

私企業に於いても、組織を挙げて、こうした活動を積み重ねれば、
しっかりとした将来展望の上に、中長期の経営戦略を策定していくことができます。

やはり、本来、国家が主体となって、本腰を入れ、エスピオナージュも含めた多様、
広範な情報収集活動を重ね、加工、分析作業を組織的に折り重ねていくことで、
国家戦略を策定していくべきでしょう。

現在、どの政党や内閣あるいは、どの政府部門にもそうした本格的な
国家戦略策定を目的とした組織・部署は見当たりません。

国家の存続を図り、併せて国民生活の安全を将来に亘り担っていかなければ
ならない政治家にとって、自らの国家存続を賭けた情報収集・加工・分析・
行動といった諸活動こそが、何よりも最優先の課題であり、責務であるはずです。

特定の利益代表とならない、国益・国策を本業とするシンクタンクを複数、
各政党毎に設置し、活動資金こそ、政党助成金を充当せしめ、
十分なヒト・モノ・カネを掛けて、国家戦略を練っていく必要があることを
痛感しました。