日本の強みは何かー3

(2)日本人の知恵 
 
①斬新さと創意工夫 
 織田信長が長篠の戦で鉄砲を用いた3段戦法は欧州で同じ戦法が
 用いられたのは約60年後という斬新 なものであった。

織田信長は当時、世界に類を見ない大型船の側面を全て鉄で覆う
 鉄鋼船建造による海戦での大勝利の他、兵農分離による城下町に
 常時戦闘集団を配置・楽市・楽座という税の恩典を与えることにより
 商売繁盛策、検地による増収策、南蛮貿易による異国文化の吸収など
 偉才を発揮した。

③教養の高さ
識字率の高さは世界トップ水準。寺小屋の普及により読み書き算盤が
一般庶民に定着し、算盤での計算能力も高かった。明治維新当時の
識字率は 男43% 女10%と産業革命下の英国より高かった。

④加工文化
漢字の伝来に対し、表意文字表音文字とに使い分けを行い、
平仮名・片仮名を発明した。

そのまま受入れるのでなく、既存文化に工夫しながら独自性を
発揮しながら組み入れを図った。

先の素材を輸入し、加工品を輸出するという輸出立国にも繋がる
知恵となった。

⑤国家の危機への対応能力の高さ
明治維新第二次世界大戦・バブルの崩壊と国家存亡の危機を
乗り越え、世界の大国となった活力があった。

⑥相互扶助
地元の商人・篤志家が「私塾」・「寺小屋」を支援、母子講など、
相互支援していく風土を持っていた。

⑦技術力の高さ
近代以降も造船技術や航空機製造技術など多くの分野で世界トップ
水準の技術開発実績を多く持ち、「ものづくり」で世界を圧倒し、
技術立国で飛躍的な経済成長を遂げた国家であった。

【日本の強みは何か】についての総括
以上、見てきたように日本人の強みは、国民性として持つ「和」の精神に
ベースがあり、勤勉性・忍耐心・勇気・自己犠牲の精神に支えられ
匠の技を敬う心があり、「ものづくり」に秀でるDNAを持つ国民であった。

その他にも加工文化や相互扶助・技術力の高さ誇りとしていいものばかりである。
「日本が目指すべき国のカタチ・国家像」を考える時、こうした先人を持つこと
を誇りとしたい。