*社会人となる君へ

「社会人となる君へ」贈る言葉

ここ数年で、君たちも社会人として巣立つ年を迎えます。
社会人となる君は、これまでの学生時代とは、全く次元の異なるステージに立つことになると自覚してほしいのです。

社会的には、これまでは親の庇護のもとにあった学生から、大人への旅立ち、自立の年を迎えます。
おそらくここ数年の環境は、内外を問わず、政治・経済・社会面でも、未曾有の変化を迎えることとなり、大きな荒海に乗り出すことになるかも知れません。

しかし、悲観的に考えるのは間違いです。
大変な時代こそ、君達が社会人として研鑽を積むには、むしろいい環境です。

自分の進路を決めるに際し、多くの人が、本当に自分にあった道を選べたのかと不安な気持ちを抱き、自分には、もっと別の道があったのではないか?と迷いや不安を感じます。
むしろそれは当然のことなのです。
人は誰でも、すべての職種、企業の中で、自分がベストと思える職場を選ぶことは困難であり、まして、社会を知らない立場ではできないし、自分がどういう職を選択するかは、「縁」でしかありません。

これからの時代は、どの職場にあっても、「志」と「夢」を持ち、社会人としてまずスタートを切ることが大切です。

社会人として一歩を踏み出す中で、社会の厳しさを知り、自分がどういう人生をおくりたいと考えるのか?
その為には、どういう仕事をしていきたいのか?
自分が、どの分野で社会の役に立ちたいのか、早く一人前になるにはどう行動すべきか?などなど、想いを巡らし、ぶつかりながら行動を重ねていくことで自分が成長していくことができるのです。

これからの時代は、一つの組織に守られ、安穏と定年まで過ごす楽な生き方は何人もできない時代となるでしょう。企業(公務員)・組織も変わらざるを得ません。

社会人として、自分の存在価値を高める目的で、人ができないこと、人が嫌がること、苦労をむしろ買ってでることで、結果として、「いい経験」を積み、自分の能力を高めていく心構えを持って下さい。

こうした地道な積み重ねが、社会人として成長を促し、その取組の中で、顧客に心から感謝され、その触れ合いの中で、自分を活かし、もっと社会に貢献できる自分探しの旅をすればいいのです。

今の君たちは、若さゆえ、まだ自分が何を求めているのか?
答えをもてないし、自分自身が変化していく中で変わっていくことが当たり前の年です。

気楽に、自分と向き合うことで、自分を確かめながら、この一年を自分探しの旅立ちと位置付けて、船を大海に漕ぎ出してください。諸君の健闘を心から願っています。 

KNOCK無名塾
 繰生 紀夫