エドワード・モースの話

読売新聞「編集手帳」からの引用

明治期に来日した米国の動物学者、エドワード・モースの話

日本人の少女、二人に十銭づつ、小遣いを与え、何に使うか
興味深く見ていた。

二人の少女は、道端に座って三味線を弾いている物乞いの女に
歩み寄り、地べたの笊に、それぞれが1銭を入れた。

かつての日本には、「江戸しぐさ」という美しい文化があった。
「うかつ謝り」「傘かしげ」「こぶし腰浮かせ」「肩引き」
等、江戸時代の長屋にひしめき合うように暮らす庶民の中に
自然に発達した思いやりの文化があった。

最終的に人を救うのは、思いやりの精神であり、利他精神である。