新歴史の真実・第四の国難(前野徹)に学ぶ(3)

今の文明を一部手直しして、ソフトランディングで国の基軸を修正するという
小手先の対策では、手遅れになってしまう。
過激なようだが、今の文明を肯定して滅びを待つのか、それとも否定して
新しく文明を作るのか、この二者択一でどちらかの運命を選ぶしか道はない。

2015年、日本消滅説の中国・李鵬前首相

まだ日本の経済が今ほど落ち込んでいない9年ほど前、
日本滅亡を示唆した大予言者がいる。

中国の李鵬前首相である。当時、首相だった李鵬氏は、1995年、
豪州を訪問したおり、ハワード豪首相に「日本など20年も経ったら、
この地球上から消えてなくなる」との発言をし、物議を醸した。

オーストラリアのハワード政権は社会党左派政権で、たぶん、
身内意識もあって思わずポロリと本音が出てしまったのだろう。

日本の識者は、この李鵬発言に失礼千万と騒いだが、今となっては
彼の見通しの方が確かだったと言わねばならない。

李鵬前首相が、日本が地球上から消滅するとして
予想したのは2015年である。

日本の現状を見ていると、はたしてあと10年持つかどうか。
李鵬予言さえ、まだ甘かったような気がしてくる。

おそらく、李鵬前首相はアメリカ一辺倒で骨の髄まで改造されつつ
ある日本人の精神構造、伝統文化の喪失と国家・国益観を失った
日本人全体を指して、もってせいぜい20年と述べたのではないか。

日本の凋落の予兆を日本人の精神腐敗に見て、ああいう発言をした
のではあるまいか。

李鵬氏の真意は今となってはわからないが、彼の予言通り、
日本が国家滅亡に向かって加速度を増しているのは事実である。

後生に光り輝く日本を

日本が亡国の危機に直面していると言っても、大半の人が信じない
のではないかという危惧を感じながら、今、筆を執っている。

実は、それがもっとも大きな危機であるとも言える。
危機が迫っているのに、危機を感じない。
京大教授・中西輝政氏は、その原因を見事に喝破している。

「危機感がない」原因として考えられるのは、
戦後の日本人の中に占領政策といいますか、
このままアメリカがあつらえた憲法とか教育理念を後生大事に
続けていれば、いずれ日本国・日本国民の精神はなくなってしまう
という危機意識をもっている人たちが多くいるにもかかわらず、
前に立ちはだかる「タブー」の大きさに怯えてしまっていること。

戦後日本の特殊な政治、社会、経済の価値観について民族としての
自覚をもって危機を唱えられない、子孫に伝えられないということがあります。

日教組の誤った教育をセーブできず、無日日本人のあふれる
日本にしてしまったわれわれの世代の責任は大きい。

今の50代以下の人々や孫の世代から「こんな日本にして」と
責められても仕方がないと思っている。

無日日本人にしてしまった若い人々にも、謝罪しなければならない
と思っている。
日本の精神が土台から腐るまで放置しておいた責任を今、
私はヒシヒシと感じている。

日本という国家の崩壊は、止めようのない激しい濁流となって
日本民族を飲み込もうとしている。

民族の融解は、もはや完遂段階まで来ているのかもしれない。
日本は明らかに亡国の道を走り出している。
ここでわれわれがいくら意を決したところで、徒労に終わる可能性も高い。

なら、そんな無駄なことをせず、左うちわで残り少ない余生を謳歌したほうが
ずっと利口ではないか、という忠告が私の周囲からも聞こえてくる。

しかし、この先、我が祖国が、我が日本民族が消滅しようとも、
生きている限りせめて真実の声は残しておかねばならないと思っている。

亡国の足音はひたひたと押し寄せている。
日本崩壊の地鳴りが聞こえる。
民族の滅亡の危機が、「第四の国難」の危機がすぐそこまで迫っている。