データから見えるこれからの経済・社会(その2)

国家財政の危機 2009/3・末 日本国家のバランスシート試算 単位;兆円
   資   産            負   債
政府の資産  471.0    政府(地方含む)負債   960.9
金融機関の資産 2,700.1    金融機関の負債  2,728.8
非金融法人企業資産 774.2    非金融法人企業負債  1,070.2
家計の資産 1,410.4     家計の負債        380.3
民間非営利団体の資産 53.1   民間非営利団体の負債     17.1      
                  負債合計       5,157.3
                  純資産   
                  政府の純資産      -489.9            
                  金融機関の負債   -28.7        
                非金融法人企業の負債    -296.0            
                     家計の負債    1,030.1       
                民間非営利団体の負債     36.0         
                     純資産合計   251.5
総資産合計 5,408.8   負債・純資産合計      5,408.8           
                    対外資産   549.8
     
                    対外負債   301.0
    
                   対外純資産   248.8
 (コメント)
 国家の財政危機が叫ばれ、野田首相は消費税引上げを政治生命を賭けた
 課題としているが、これまで、国家のバランスシートの公表はない。

 負債ばかりに国民の目を向かわせている。上記データは、3年前の資産・
 負債で推定を行ったものであるが、国家や家計が保有する資産を加味して
 見ると、まだ日本の国家は純資産が約251兆円の黒字となっている。
 ましてやまだ債務超過ではない。

 この事実が、叫ばれる財政赤字の割に、ギリシャのように長期金利
 高騰しない一番の背景となっている。

 また、それほどの危機にあれば、他国に多額の資金援助をできる余裕が
 ない筈である。

 但し、このまま年間50兆円の財政赤字垂れ流しが続けば、
 あと数年で本当に債務超過となり、長期金利の上昇を招くことは
 間違いない。

 今、国家がなすべきことは、残された数年の時間を使い背水の陣で、
 統治機構改革を始めとする国家の仕組みを大胆に変えること。

 将来の日本を支える新産業への投資を行い、世界中から投資を集め、
 国家の長期的な成長戦略を描き、国民に示し、夢を与え、
 国家意思として思い切った財政投融資を行うことで、円高阻止と
 デフレ脱却を図ることである。

 もし拙速に消費増税を行えばただでさえ冷え切った景気を大きく押し下げ、
 本来の狙いとする税収増加どころか、大きな税収減として跳ね帰ってこよう。
 消費税増税は、景気回復が確認できてからの順序であるべきであろう