「99%の反乱」(サラ・ヴァン・ゲルダー著)を読んで

「99%の反乱」(サラ・ヴァン・ゲルダー)は米国社会の問題を描いた
衝撃の書である。 貧富格差の極端な拡大はいつか国民の反乱を招く節理
として他山の石としたい。

米国では1%の富裕層と99%の非富裕層との格差が長年に亘り拡大。

具体例で見ると1979年から2007年の28年間に、
トップ1%の所得が275%アップしたのに対し、底辺の20%の国民の
所得の伸びは18%に留まった。

失業者や職探しを諦めた人 2,500万人の失業者が存在し、
その45%が27週間以上失業状態が続いている。

フォーブスの世界長者番付で2011年には二つの記録が更新。
米国の総数 1,210人 その合計総資産は 4.5兆ドルと巨額。

4.5兆ドルはドイツのGDPに匹敵。

不公平税制の問題点(チャック・コリンズ)
納税者のトップ1%(年収50万ドル以上)の連邦税への納税比率は
1960年に60%であったものが、2004年には、33.6%へ低下。
富裕層に対する凄まじい減税がなされた。

何千もの高収益企業が、1998年から2008年にかけて、全く
所得税を支払っていない。
例えば、GEは2009年税引き前利益103億ドルを計上しながら
米国には1セントも納税していない。
グローバル化を追求していけば、企業にとって有利な税制を提供する
国家間で、「TAX アービトラージュ」が為され、結果として
母国に税収が落ちない結果を生んでしまう矛盾を惹起している。
国は国家の存続を維持する税収を誰から徴収するのか?
根本的な問題提起をこの本から学ぶべきであろう。