[「国家再建への道標」

「国家再建への道標」-1

目覚しい成長が続く中国・韓国等アジア諸国の陰で
日本の閉塞感が否めない。

危機に瀕する日本を再び国民が誇りの持てる「日出づる国」
にしたいと願い、解決策を模索すべく提言を行わせていただく。

現況の閉塞感を打破する種々の道筋を検討するに際し、
まず最初に、これまでわが国が辿ってきた過去の成長の道筋を
一緒に振り返って見たい。

戦後の荒廃した国土の中から先人たちが必死になって築き上げて
きた日本の経済社会。先人たちの努力の積み重ねのお蔭で
我が国はGDPで世界2位の地位を築き、
(昨年、中国に2位の地位を明け渡した)
1980年代後半には一人あたりのGDPで米国を抜くまでの成長を
遂げることができた。

戦後の国民のテーマは一貫して「米国に追いつき・追い越せ」にあった。

繁栄を謳歌する米国資本主義の圧倒的な強さと文化に憧憬を抱きつつ、
何とかして追いつきたいという夢や憧れを抱き、多くの国民が必死に働いた。

米国にとっても、第二次世界大戦後、米ソの冷戦が続く中で地政学上も
太平洋の米ソの中間に位置する日本が、中曽根元首相の「不沈空母」発言に
見受けられたように、政治・軍事面でも太平洋の防波堤として
米国の安全保障面で大きな利用価値があった。