国家再建への道標ー8

これまでの、財政投融資で行われた公共投資の大きな問題点は
一過性の投資であり、橋や道路の建設に資金を投入しても、
その年だけの限定的な投資効果しか生み出せないことに根本的な
欠陥があった。

本案は、持続可能な地方経済の成長をもたらすことを基本に
据えた政策案であることを申し述べておきたい。

また、1ヶ月の長期休暇を与える雇用者側にとっても、
休暇取得者の年間給与の1ヶ月分の賃金をカットするため、
コスト負担はゼロではないとしても、相対的な負担は軽減される。

また、業務の空白を埋めるため、人材手当てを行う場合
新規雇用ニーズが生まれ、国内の労働人口を約6,000万人とした場合、
空白を埋めるための新規雇用ニーズは6,000万人×1/12=500万人の
雇用増加要因となり、失業者の雇用増加の機会も与えるという
副次的な効用も期待できる。

休暇取得者にとっても、1ヶ月分の賃金カットを受けても、
そのマイナス面は税額控除の恩恵を受けるメリットに加え、
諸物価の安い地方で1ヶ月間の生活をする生活費の負担軽減で相殺され、
実質的なデメリットも案外少ないのではないか。

むしろ、夏休みに長期休暇を取得し、普段はなかなか実現しにくい
家族揃って、一緒に過ごす時間を共有することで、家族の絆が強まり、
お互いの幸福感を味わうことができる選択をする方が人間らしい人生の
幸せを実感できるのではないかと思う。

税額控除を行う国・地方に、短期的には税収不足を招く可能性があるが、
減税額の15倍・30倍の投資が地方に実需として発生することや、
長期休暇取得者の家族が、地方で一定期間、消費生活をすることで
生じる地域経済への乗数効果が地域経済発展へ寄与するメリットの方が
はるかに大きいと考える。

地方行政側も、今後これまでのような箱物行政で特色のない設備に金を
かけ続けるのではなく、自分たちの地域の自然環境の美しさや、
優れた伝統工芸や文化を競い合い、海外からの観光誘致も含め、
こうした勤労者を一人でも多く呼び込むための広報活動・PRの努力に
エネルギーを集中すべきと考える。

こうした自助努力の積み重ねにより、地域経済の活性化が可能となり、
持続的な内需拡大に繋がるものと信じたい。

次に(2)地方の行政と民間とが一致協力して取り組むべき
地域経済活性化施策
について提言を行うが、詳しくは、次回の提言機会に譲りたい。