人材資源活用への道標ー5

4.(企業と応援者とのマッチング) 【目利きの存在が必要】

こうして対象となる人物と面談を重ね、相応しい技術者や応援者を
探し出し、一方でお手伝いしていただく対象となる企業を選定し、
両者をマッチングさせていく過程では、その技術評価や人物評価
などを見極める眼力ともいうべき「目利き」が必要となる。

今回の「第3回 人財資源活用の道標」提言のポイントは以下にある。

住宅ローン返済を終え、子育ても一段落し、家計面で若干の余裕を
持つ年金受給者にとって、既に「カネ」は第一の目的ではなくなっている。

まだまだ、現役世代に負けない自負と「気力」・「体力」・「知見」・
「技術力」といった極めて貴重な余力を持つ有能な高齢者は数多く存在する。

是非にと乞われて自分を必要とする中小企業から切実な支援を求められた場合、
周囲から感謝されながら働く喜びを味わい、社会に貢献する実感を味わうことで、
貴重な自分の余生の一部を、もう一度、社会の役に立ちたいと考える「志」の
高い人財が日本には多く存在する。

これまでの人生で粛々と築いてきた過去の栄光・実力を社会がもう一度認め、
社会が自分に新たな役割を求めてくれるならば、地域社会の発展に少しでも
お役に立ちたいという日本人固有の特質である彼らの「善意」に期待すべきである。

こうした先人から後輩への橋渡しを再度お願いすることに、中小企業支援モデルの
本質と狙いがある。

能力に見合った本来、支給すべき給与の半額程度で、支援を求めることができる
ことが、中小企業経営者にとっても助力を依頼する経済面での支えともなることを
ここで敢えて付言しておきたい。

このように、日本国内にある資源・資産を再評価し、組み立て直し、再配分・
再配置することで、まだまだ、発展・成長を実現しうる政策の余地や希望は多く
存在すると思う。

いたずらに日本の将来を悲観することなく、前向きにスピード感を持ち、
改革に邁進すべきである。