出光 佐三に学ぶー2(お互い)

「お互い」ということを世界が求めている

 個人主義は利己主義になって、自分さえよければいい、
 自分が金を儲ければ人はどうでもいい、人を搾取しても
 自分が儲かればいいということになっている。

 ところが本当の個人主義というのは、そうではなくて
 お互いに良くなるという個人主義でなければならない。
 それから自由主義はわがまま勝手をするということに
 なってしまった。

 それに権利思想は、利己、わがままを主張するための
 手段として人権を主張する。

 この立派な個人主義自由主義、権利思想というものが
 悪用されているのが今の時代で、行き詰っている。

 それで私はよく会議で言うんだが、
 「お互いという傘をかぶせてみたまえ。

 個人主義も結構じゃないか。個人が立派に力強くなって
 おって、そしてお互いのために尽くすというのが、
 日本の無我無私の道徳の根源である。

 それから自分が人間としてしっかり権利をもって、
 お互いのために尽くすということならこれまた結構である。

 それから自分が人間としてしっかり権利を持って、お互い
 のために尽くすというなら結構だ。」と言うんです。

 互譲互助、無我無私、義理人情、犠牲とかはみんな
 「お互い」からでてきている。
 大家族主義なんていうのも「お互い」からでてきている。
 その「お互い」ということを世界が探しているということなんだ。