日本蘇生への道標ー2

こうした日本のシステムは、第二次世界大戦後長らく続いた
米ソの冷戦構造の中で、日本の地政学上の戦略的位置づけが
重要であったこと、

日本の特殊性・異質性も経済規模が小さい内は、米国にとっても
さほどの脅威とならず、看過しうる存在であったこと、

米国自体が強大であったことなど好環境に恵まれていたこともあり、
大きな変革を迫られないままに時を経てきた。

この意味で、現在の不況の種は米ソの冷戦が終結した時点で萌芽して
いたといってもいいかもしれない。

米国は総力戦で冷戦に確かに勝利したものの、その国家体力を消耗し、
かつてのスーパーパワーは軍事力など一部に限られたものとなって
しまった。

11月の大統領選でクリントンアーカンソー州知事が現職の
ブッシュ大統領に圧勝したのも、こうした米国の衰退に対する国民の
危機感と現状への不満の表れであろう。

従来の冷戦思考で新しい世界秩序(NewWorldOrder)を
考えていくことが困難になった訳で、冷戦後のリストラクチュアリングの
波はソ連・東欧から西欧(EC)米国へと拡がり、
今まさに全世界に押し寄せようとしている。