日本の教育改革への道標ー3

多面的な思考力、奥深い知識の重なりの中から新しい発想が浮かび、
創造という新しい発見が為されるという真理を、政府も官僚も教育
の現場でも、自覚しなかったことが、不幸にも日本にゆとり教育
スタートさせてしまった。

世界に目を転じると、ヨーロッパでは、米国、同様、教育システム
に競争原理を持ち込んでいる。

2000年代に入り、イギリスでは長期にわたり低迷してきた学力を
引き上げる為の教育改革が進行し、ドイツでも2001年12月にOECD
学力調査で先進国中最低レベルの結果が出たことに衝撃を受け、
ヨーロッパは再び学力重視に向かっている。

強大な権限を持つ教員組合の責任も問われ、政府も授業時間の増加
や統一テストの導入を検討するに至ったという。

アジア諸国も、これまで急速な経済発展を遂げてきた背景として、
世界最高レベルの教育水準と均質で有能な労働力を保有してきた
ことが原動力としてあげられる。

こうした中、13億の人口を抱え、教育に真剣に取り組んできた中
国の動きから目が離せない。

これまで触れてきた様に、世界各国の教育への取り組みは大きな
潮流の変化に直面している。

従来と全く異なる革新的な発想をし、答えのない世界に果敢に
チャレンジし、自分の考えを堂々と主張できる「異質な人材」を
育成する必要性に迫られている。


世界が共通して、独創性と、スピードが鍵を握る、高度情報化社会
を迎えており、益々、人材教育モデルを探す戦いが続くことになろう。