マハティール氏の日本への助言に学ぶー4

■ヨーロッパ人の問題解決方法は長い間「力」であった。

力の勝るものが戦いに勝ち、全てを得るというシステムが
西欧社会の根底をなしてきたことは疑いがない。

産業革命以降の社会も、強者に論理がまかり通る社会システムであった。

■東洋の場合、チンギス・ハーンフビライ・ハーン;ティムール・レング等
モンゴル人の征服王たちは、征服した先に同化した。

モンゴルの場合は中国で仏教徒となり、中国の文化を受け入れた。
西方では、トルコ民族と融合し、数々のトルコ系国家を作り、
南方では、インドと融合し、イスラム教を取り込んだムガール帝国を創造した。

■グローバリゼーション は1990年代の情報通信技術の飛躍的発展の結果として
出現した概念。

目指すものは世界の標準化、同一規格化、ルール化、つまり、商業・貿易・通信
その他一切を(血を流さない形で)経済的世界統一戦略に他ならない。

アメリカのスタンダードを国際基準として他国に受け入れを強要しているのが実態。

■多元的で異なった文化や価値観を受け入れるシステムはアジア的。

異なった社会規範同士が仲良く住んでいける道を実現した日本の成功がそうであり、
日本の果たすべき役割は大きい。

■日本は非西欧的な価値観をもって世界経済のトップまで上り詰めた国である。

自分の価値観を強要することなく、多元的な価値観や文化を受け入れながら
成功していった唯一の国家であった。

この特別な立場を再認識し、アメリカとの関係を再考すべきである。
アジアは日本のリーダーシップを仰いでいる。

■第二次大戦が始まると日本軍は東南アジアに侵攻し、マレー半島のイギリス支配に
ピリオドを打った。

このことは強い衝撃を与えた。(アジアの人々は)
それまではヨーロッパは無敵であり、反抗不可能なものと認識されていた。

同じアジアの国が西欧の強国を負かすことができるという事実が衝撃として我々に
伝わった。