日本人の誇り(藤原 正彦)に学ぶ-3

■世界七大文明のひとつ

ハーバード大学国際政治学
サミュエル・ハンティントン教授
1990年代のベストセラー「文明の衝突」の中で
世界の文明を七つに分類。

中華文明・ヒンドゥー文明・イスラム文明・
日本文明・東方正教会文明(ロシア等)
・西欧文明・ラテンアメリカ文明の七つ。

日本文明以外は、多くの国に跨るのに、
日本文明は日本だけの独立したもの。

日本文明以外にエチオピア、モンゴル、チベット
タイなど孤立した文明はあるが
高度に発達したものだけを絞り込んだ。

漢字も仏教も西欧の技術も、日本特有の色を
加え、既にある自分達の文明と融合させてきた。


漢字がくれば、万葉仮名、片仮名、平仮名を発明し、
漢文の訓読などという奇手を
放ち、漢文を日本文に取り込む。

仏教も、伝来して間もなく、古来よりある神道との
調和をめざした神仏習合という離れ技により融合。

聖徳太子の「和を以って尊しとなす」
がそのまま実行された。文部科学省の調査によると、
我が国の宗教の信者数は、自分を仏教系、神道系と
思う人を合わせると、二億人を超える。


禅や儒教は中国では庶民に拡がらなかったが、
日本では鎌倉時代に武士道を通じ、武士階層に広まった。

この武士道は、山鹿素行等により、さらに深く儒教が取り入られ、
「武士道精神」にまで洗練された。

この武士道精神は、講談、読本、謡曲、歌舞伎、能といった
大衆文芸や芸能を通じ、国民一般に伝わり、国民精神にまで
発展していった。

先進国のものであっても、君主専制科挙、宦官も取り入れず。
無批判に模倣しなかった。

幕末から明治にかけて来日した欧米人は
「日本人はなぜこうもアジア人と違うのか」驚愕していた。