[日本人の誇り(藤原 正彦)に学-4

■幕末から明治にかけて来日した欧米人の評価

タウンゼント・ハリス

「厳粛な反省―変化の前兆―疑いもなく新しい時代が始まる。
あえて問う。日本の真の幸福となるだろうか」

ハリスの通訳、ヒュースケン

「この国の人々の質朴な習俗とともに、
その飾り気のなさを賛美する。この国土の豊かさを見、
いたるところで満ちている子供たちの愉しい笑い声を聞き、
そしてどこにも悲惨なものを見出すことができなかった私は、
おお、神よ、この幸福な情景がいまや終わりを迎えようとしており、
西洋の人々が彼らの重大な悪徳を持ち込もうとしているように思えて
ならない」

エルギン卿の秘書オリファント

「個人が共同体のために犠牲になる日本で、
各人がまったく幸福で満足しているように見えることは、
驚くべき事実である」

モース(大森貝塚を発掘)

「貧乏人は存在するが、貧困は存在しない」
エドウイン・アーノルド(英国の詩人)
「日本には、礼節によって生活を楽しいものにするという、
普遍的な社会契約が存在する」

インドのデカン大学の学長で57歳の詩人

「地上で天国あるいは極楽にもっとも近づいている国、
その景色は妖精のように優美でその美術は絶妙であり、
その神のようにやさしい性質はさらに美しく、
その魅力的な
態度、その礼儀正しさは、謙虚であるが、
卑屈に堕することなく、精巧であるが飾ることもない。
これこそ日本を、人生を生き甲斐あらしめるほとんど
すべてのことにおいて、
あらゆる他国より一段と高い地位に置くものである。」